
瓶詰食品を長期保存するためには、煮沸消毒に続いて「脱気」という工程を行います。脱気とは、熱を利用して瓶の中の空気を抜き、内圧を下げて密閉状態をつくる処理のことです。
正しく行えば保存性を高めることができますが、手順を誤ると密封が不十分になり、脱気に失敗するケースもあります。
この記事では、煮沸消毒を終えた瓶に内容物を入れたあと、脱気を行う具体的な手順と注意点を工程ごとに解説します。
脱気作業の工程
脱気作業は、内容物の上部とキャップ裏面との間に設けた「空寸(くうすん)」に含まれる空気を加温して内圧を上げ、その内圧を逃がして密封し、冷却によって内圧を下げるという一連の工程で行われます。
空寸には、充填や殺菌の工程で加熱された内容物が熱膨張した際の容量を確保し、吹きこぼれを防ぐ役割があります。
また、液面とびん口に距離を取ることで、びん口に内容物が付着するのを防ぎ、清潔な状態を保ちやすくなります。目安としては、内容物を90~95%程度まで充填すると、脱気が安定しやすくなります。
ここから、工程ごとの手順を紹介します。
① 内容物を充填する

煮沸消毒を終えて十分に乾燥させた瓶に、温めた内容物(ソースやジャム)を充填します。内容物の温度が低いと、後工程で十分な内圧が得られません。
② フタを軽く閉め、湯煎する

フタを軽く閉めた状態で、あらかじめ沸騰させた鍋に瓶を入れます。フタを強く閉めすぎているとフタが飛んでしまったり、空気が逃げられずに危険な状態になります。
逆にフタを乗せた程度のスカスカの状態で、密封されていないと脱気に失敗する可能性が高くなります。
空気が逃げられる程度の閉め具合を意識しましょう。
水位は内容物の高さの9割程度とし、キャップ部分は必ず水面より上に出します。
※キャップの塗装面の損傷や、早期の錆発生の原因となるため、ガラス瓶のドブ漬け殺菌は行わないでください
③ ジャム瓶を煮沸する

ジャム瓶を入れた状態で、20分程煮沸します。
空寸内の空気が加熱されて膨張し、水蒸気が加わることで内圧が上昇します。内容物の温度が低いと十分に内圧が上がりません。
4.一瞬フタを緩めて空気を逃がす

煮沸後、フタを一瞬だけ緩めて内圧を逃がし、すぐに本締めします。
徐々にフタを緩めていくと、わずかな隙間ができた瞬間に内部の空気が抜け、この際に「シュッ」」という音が聞こえる場合があります。ただし、条件によっては音が聞こえにくいこともあります。
フタを緩めるのはごくわずかな隙間を一瞬だけに留め、すぐに巻き締め(本締め)してください。
ここでカバっとフタを外してしまうと、冷たい空気が入り込み、脱気に失敗する原因となります。
脱気作業では、開閉操作がしやすいツイストキャップが向いています。
スクリューキャップの場合は、最後の本締めで締め過ぎると開封しづらくなるため注意が必要です。
作業中は瓶が高温になっているため、布巾や厚手のゴム手袋などを使用し、火傷をしないよう十分に注意してください。以上で脱気作業は完了です。
脱気後の状態確認と冷却時の注意
瓶が常温に近づくにつれて内圧は下がっていきます。
セーフティボタン付きのフタの場合は、内圧が下がるとボタンが凹みます。セーフティボタンがないフタでも、わずかに内側へ凹むため、慣れてくれば目視で判断できる場合がほとんどです。
なお、熱いガラス瓶を強制的に冷却すると、温度差によって瓶が割れる可能性があります。
冷却時の温度差は40度以内になるようご注意ください。自然放冷・強制冷却のいずれの場合でも、内圧に大きな差は生じません。
上記の工程を適切に行うことで、密封性が高まり、保存性の向上が期待できます。
用途に合ったガラス瓶選びも大切
脱気工程を安定して行うためには、容器の形状やキャップ仕様も重要なポイント。
内容物や販売形態に合ったガラス瓶を選ぶことで、作業性や保存性の向上にもつながります。
パオボトル館では、ドレッシング販売に適したガラス瓶をはじめ、用途に応じたボトルを取り扱っています。
容量や単価からも検索できますので、容器選びの参考としてご活用ください。





